実は奥が深い!木部塗装で知っておきたいこと

2024/03/04
木部用塗料

多種多様な木部用塗料

当店では主に建築向けの製品を取り扱っていますが、外装にも内装にも、建築物以外のあらゆる部位に使われている素材があります。
それは「木」です。
誰もが手にしたことがあるであろう、身近な素材。
学校での図工や技術科の授業、DIYでちょっとした棚や家具などを作るときに塗料やニスで着色することも多いかと思います。
例えば木部用塗料の代表製品と言えば芸能人とのコラボやテレビ番組などでも名前が出てくる大阪ガスケミカル様の「キシラデコール」があります。

外部用だけでも、

  • 標準のキシラデコール
  • 低臭型のフォレステージ
  • 水性で高い着色力のアクオステージ
  • 通常の塗料のようにしっかり塗りつぶす水性塗膜形成タイプの「コンゾラン」

と様々。
キシラデコールでもこれだけ種類があるので、木部用塗料全般では、さらに種類が増えてきます。

木部用塗料の選び方

着色する塗料でざっくり分けると、含浸(がんしん)タイプと塗膜(とまく)形成タイプがあります。

  • 含浸タイプ:標準のキシラデコールのような、色を染み込ませて木目をしっかりと見せるタイプ。
  • 塗膜形成タイプ:木の上に塗膜をつけるため、木目はほんのり見えるか、見えなくなります。

※いわゆる「ペンキ」と呼ばれる塗料で塗りつぶしも可能です。木目は全く見えなくなります。

ホームセンターで売られている木部用塗料は殆どが含浸タイプで、無塗装のラックや棚などであれば何を塗っても、塗った後によほど問題は起きません。
塗った後(もちろん乾燥後)に物を置いても張り付いたり、置いたものに色移りするリスクは少ないのです(稀に木材に残ったヤニが出てくることもありますが・・・)。

木製の既製品の色を変える際には注意が必要

注意が必要なのは改修(塗替え)時です。「この木製品の色を変えたい!」というのが、意外と大変。

外壁・建具・家具などでクリヤーが塗ってある場合、この上に含浸タイプ・塗膜形成タイプはいずれも塗れません。
クリヤーの上にクリヤーは塗れない事はないですが、下地が汚いとそのまま汚くなります。
基本的クリヤーを剥離する(取っちゃう)必要がありますが、剥離も簡単ではありません。
プロの塗装職人様はミヤキ様のケストル(完全業務用の剥離剤)をよく使用しますが、成分が非常に強いため取扱いが難しく、やりすぎると木を傷めてしまいます。

「色あせてきた木部を全く違う色にしたい」とお考えであれば、薄い色から濃い色への変更はどうでしょうか。
薄い色から濃い色へ変える場合なら、トラブルも少なくキチンと収まると聞きます。
逆に濃い色から薄い色へ変えたい場合は、まず既存の濃い色をやっつけないと薄い色が木材に乗りません。
この場合、先述のミヤキ様の別の製品・ステントルを使用することがありますが、水と体力が相当必要ですので、一般の方のDIY作業にはあまりおすすめしません・・・。

このように下地を傷めず、かつ希望の色に改修することが求められ、木部の塗装が難しいと言われる理由のひとつです。

たくさんデメリットのような事を書き並べてしまいましたが、木材と塗料の特性を理解すれば問題なく塗装は出来ますし、木ならではの風合いを塗料によってさらに楽しむことが出来ます。

もし迷われたら、是非当店へご相談下さい!

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